末期がん患者さんの約70%は、痛みの症状が現れると言われています。

その【末期がんの痛み】の原因として、

  • ガンの進行(増殖)の伴う痛み
  • 原発巣のガンの進行により、血液やリンパ液の流れに乗り内臓などの器官へ転移の浸潤による痛み
  • 骨転移による痛み
  • ガンの進行により末梢神経の浸潤による痛み
  • 白血病の痛み。

などが主だそうです。

私がガン闘病中にお世話になった病院(総合病院)では、痛みの程度を数字の1~5で答える指導をしていました。

  1. 【1】痛みナシ

  2. 【2】軽度の痛み

  3. 【3】中程度の痛み

  4. 【4】強い痛み

  5. 【5】最悪の痛み



痛みを止める薬

ガンの痛みを止める薬として、【ロキソニン】【ボルタレン】【モルヒネ】などが主な痛み止め薬になると思います。

痛み止め薬は、『副作用が無い』と思われている方は意外に多いように思います。

しかし痛み止めも【薬】ですから、何らかの副作用があると考えた方が良いと思います。
その副作用についてちょっと調べてみました。

痛み止め薬 副作用
ロキソニン 唇や口内のただれ、胃、腸を荒らす、発熱、疲れやすい、むくみ、体重増加、吐き気、食欲不振など。
ボルタレン 強い痛み止め。胃痛、腹痛、発疹、むくみ、下痢、腎臓の異常、肝臓の異常、吐き気など。
モルヒネ 強力な痛み止めで段階的に使用。便秘、吐き気、嘔吐、眠気など個人差はありますが、副作用として挙げられています。

肝臓がんの痛み

私は元末期の肝臓がん患者だったのですが、肝臓がんの痛みの種類には、下記のようなものがあります。

  • 右肩の痛み
  • 腹部上部の痛み
  • 肝臓全体の痛み
  • 骨転移による骨の痛み

痛みの原因は?

肝臓自体は痛みを感じることが無い臓器と言われています。

ではなぜ、肝臓がんで痛みを感じる事があるのでしょうか。

肝臓がんによる痛みの原因は、肝臓がんが5センチ以上の大きさになると、肝臓を覆っている被膜が伸ばされます。その被膜の伸びが痛みの原因となるそうです。
(骨転移は除く)

痛みの緩和方法

元末期がん患者である私が経験したガンによる痛みのは【3】くらいで、緩和方法はロキソニンを使用していました。

効果が無い(少ない)時には、モルヒネを勧められたこともありました。

しかし、私はモルヒネに対してとても強い拒否感を持っていたので、モルヒネは断り続け、ずっとロキソニンを服用していました。

ガンの痛みは経験をした方だけが知る痛みだと思います。

痛みは我慢しないで痛み止めを使用した方が良いと思いますが、【副作用がある】という事を知っていて欲しいと思います。

特に、『吐き気や食欲不振』の症状は、末期がん患者にとって致命傷にもなり得る副作用だと思いますので、もし『吐き気や食欲不振』の副作用が現れる薬の場合は、医師と良く相談する事をお勧めします。

モルヒネと余命

モルヒネと余命について、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

モルヒネと聞くとよく、『モルヒネを使いだしたら余命わずか、余命が無い』などと言われていますが果たしてそうなのでしょうか。

実際、モルヒネを使用するということは、上記にある痛みの程度でいっても、【4】か【5】にあたる、いわゆる末期がんの中でも終末期に当たる場合は多いと言うことから、そのような言い方をされるのだと思います。

確かにモルヒネはとても強い薬ではありますが、あくまで鎮痛剤ですので、モルヒネと余命の直接的な関係は低いと言えると思います。

とはいえ、モルヒネは劇薬ですから、服用される前に、副作用をはじめ、モルヒネについて良く理解しておくことがとても大切だと思います。

薬の副作用は良く理解してから服用しましょう:元末期がん患者の経験